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b)実現上の課題
(1)航空機は全世界的に運航するので、一つの航空機に装備された通信装置は運航する各国の地上システムと通信が可能にならなければならない。この事から、全世界的に空地データ通信の標準が必要になる。
(2)一般に空地データリンクのデータ転送速度は低いので、効率的なデータ通信の実現が必要である。
(3)航空機は、等価で、方式の異なる複数の通信装置(例えばFANS−1とATN)を同一航空機に装備する事はないので、相互の互換性は航空機からは要求されないが、地上システムとして、異なるインフラ構造をもつ通信システムに対応できないと、全体的な管理が出来ない。インフラの統合はそもそもその主旨から困難が伴い、アプリケーションレベルでのデータ受渡(ゲートウェイ)機能を余儀なくされる。
(4)空地データ通信で交換されるメッセージは、地上通信ネットワークを経由する。メッセージの種別によっては、異なる通信要件を必要とする、また、地上通信の制度的制約が存在するので、それらを克服しなければならない。
このように、空地データ通信は単に空地データリンクが整備されれば、即実現されるものではないことの認識が必要である。特に、地上側での整備の必要がある。
3.2.2.3.2 エンド・エンド地上データ通信
a)構成要素

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b)実現上の課題
(1)地上通信が国際の場合には、国同士の調整が必要になり、必然的に国際標準の必要が出てくる。
(2)国内、国際共に、地上通信は既設のものが存在し、それらとの共存、新規通信方式への移行間題を解決しなければならない。
3.2.2.4 各種空地/地上通信アプリケーション間の整合と統合
以上の記述での、「データ通信」はメッセージを転送する、一般的なものを差しているが、具体的に国際的な標準が推進されているものは、もう少し特化した通信である。具体的には、FANS−1,ATNの例では、ADS,CPDLC,FIS(ATIS)、AIDC,AMHS等である。
これらは通信アプリケーションと呼ばれる。各国はこのような通信アプリケーションの地上部分を実現する。これら通信アプリケーションを使用する場合は、提供さている通信インタフ

 

 

 

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